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企業部門改善、雇用や所得通じ家計部門に波及=日銀総裁

2010年07月15日 17:32

  [東京 15日 ロイター] 白川方明日銀総裁は15日、金融政策決定会合後の会見で、企業部門の改善が雇用や所得を通じて家計部門に波及してきているとの見方を示したが、景気の先行きについては、政策効果の減衰などで回復テンポの鈍化が予想されると語った。

  財政改革については、中長期的な財政の維持可能性の確保は、通貨の信認や経済の安定にとって重要だと述べた。

  また白川総裁はターム物金利について「低水準で安定的に推移するなかで、企業の資金調達コストは低下傾向が続いている」としたうえで「こうした低金利の持つ緩和効果は、改善している企業収益の対比でみて、強まりつつあるとみられる」と指摘した。

  白川総裁は「民需の自律的回復に向けた動きが引き続きみられる」「企業部門の改善の動きは雇用・所得環境を通じて家計にも緩やかながら波及してきている」との見方を示した。

  消費については「各種対策で高い伸びを続けてきた耐久消費財需要がこのところ増勢が鈍化しているが、全体としては持ち直し基調を続けている」と指摘した。

  最近の株価下落について白川総裁は「欧州での財政問題等を背景にグローバル投資家のリスク回避姿勢が強まったことなどが指摘されている」と述べる一方、円高に関しては「相対的な安全資産との認識のもとに円に対する需要が高まっていることが、円高の一因となっているという声も市場から聞かれる」と述べた。

  また白川総裁は一般論としたうえで「円高は短期的には輸出の下押し要因になる。株安は逆資産効果や企業マインド悪化を通じて設備投資や個人消費に悪影響を及ぼす可能性がある」と指摘した。しかし、世界経済が回復していること、企業収益や景況感は改善していること、日本の市場や金融システムなどが安定していることなどを挙げて「円高や株安の影響はあり得るものの、日本経済の先行きは回復傾向をたどる」と予想した。

  (ロイターニュース 伊藤純夫記者、竹本能文記者、児玉成夫記者)