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金融政策、特定の為替水準を前提に考えず=日銀副総裁

2010年07月21日 16:22

  [富山 21日 ロイター」 山口広秀日銀副総裁は21日、富山市で会見し、特定の為替水準を前提にして金融政策を考えることしないと述べた。市場で為替介入の可能性が話題になっていることについて聞かれ、市場のさまざまな見方についての言及は避けるとしながらも「為替市場への関与は政府の仕事」との考えを示した。

  また、企業の景気に対する見方は、金融緩和のあったドバイショックの時に比べて改善していると指摘した。

  <ドバイショック時と比べ、企業の景気への見方は改善>為替が1ドル=85円程度になれば、ドバイショック時の経験などを踏まえて、日銀が追加緩和に踏み切るのではないかとの市場の観測について山口副総裁は「今の為替市場について注意深くみていることは間違いない」としたものの「特定の為替レートの水準を前提に金融政策を考えるということは従来からしていないし、今後もそうだ」と述べた。そのうえで「昨今の動きが円高方向の動きであるとは認識しているが、そうした動きが経済面全体に、足元だけでなく将来においても、どのようなインパクトを与えるかを見極めながら政策判断を行う」と指摘した。

  ドバイショック時に日銀は「為替市場の不安定さなどが企業マインド等を通じて実体経済に悪影響を及ぼすリスクがある」として追加緩和に踏み切ったが、山口副総裁は「(円高の企業マインドへの影響は)為替がどの程度の期間にわたって円高的状況を続けるのか、どの程度の幅の円高なのかに依存する」と指摘した。そのうえで「この局面で起きている為替相場が企業マインドに対して、どの程度のインパクト持ちうるか、それが企業行動にどのような影響を与えているのかについては、一定の時間をかけて判断すべきもの」と述べた。

  ドバイショック時と今との違いについて山口副総裁「企業の景気に対する見方」を挙げた。昨年11月末頃は、景気の先行きに十分な自信が持てず、今年の4─6月から夏場にかけては二番底懸念があるとも言われていたが「今はどういう状況かと言えば、それに比べれば、ずいぶん事態は改善してきている」と指摘。「特に輸出依存度の高い企業家にとっての、為替に対する受け止め方はずいぶん変わっている。状況変化と企業マインドのありようをトータルにとらえて評価していくべき」との考えを示した。

  為替市場で介入警戒感が強まっていることについては「市場がさまざまな見方をすることについては、私どもの立場からあれこれ言うことは適切でない」としたうえで「為替市場への関与というのは政府の仕事であり、政府がどのような対応をとるかということ」と述べるにとどめた。

  <日本経済の上下のリスクはバランスしている>朝の講演で山口副総裁は、成長基盤強化のために「さまざまな可能性を探る」と述べたが「次のステップに向けて、どのタイミングで動きだせるかについて、今の段階で明確な展望はない」としたうえで「なるべく早い段階で、新たなステップというものがありうるのであれば、そこに向けて動きだしたい」と意欲を見せた。

  日本経済の上下のリスクについては「私としては、上下がリスクとしてバランスしている」と述べ、下向きのリスクが勝っているとの見方を否定した。また日銀の景気への見方が楽観的すぎるのではないかとの質問に対しては「冷静に分析した見通しだと思っている」と自信を示した。

  (ロイターニュース 児玉 成夫記者)