現在地: ホーム > ニュース > 特集 > 記事

新興国が物価安定注視し過ぎれば景気振幅圧力ため込むリスク=日銀

2010年07月23日 19:10

  [東京 23日 ロイター] 日銀は23日発表の「日銀レビュー」で、新興国のリスクについて言及し、物価の安定に過度に注意を払えば、大幅な景気振幅という調整圧力をため込んでしまうリスクがあると警告した。

  新興国では、通貨高で輸入価格が下落することで、経済成長と物価安定が短期的に両立して見えることがある。しかし後々、景気振幅の拡大につながるリスクは大きいので、それを回避するには資本取引規制で補完しつつ、金融財政政策を適切に運営することが重要と指摘した。

  日銀によると、リーマンショック後は世界景気は同時に悪化したが、2009年春以降になると、バランスシード問題を抱えた先進国と、良好なファンダメンタルズに支えられた新興国の経済パフォーマンスの違いが明確化してきたという。そのため、新興国の高成長の果実を目当てに、海外資金が新興国市場に流入、それが新興国経済の回復をさらに後押しする循環がみられるという。

  比較的規模の小さい新興国市場では、資金流入が通貨高と国債価格上昇をもたらしており、資金流入にともなう緩和的金融環境はインフレ圧力を高める一方、通貨高は輸入価格下落を通してインフレを抑制。そのため、景気拡大が続いても、インフレ率がさほど上昇しないという現象を、少なくとも短期的には生みだすと指摘した。その結果、中央銀行が緩和的環境を維持すると、通貨高によるインフレ抑制もあり、中長期的には景気の振幅の拡大を招くリスクがあるとした。

  さらに日銀では、欧州問題もあって、流動性が潤沢な状況が続くとの見通しが市場で広がっており、市場の混乱が収束すれば、新興国への資金流入の増勢が再び強まると予想、注意を促した。