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物価安定のもとでの持続的成長復帰のため努力=日銀審議委員

2010年07月28日 13:15

  [札幌 28日 ロイター] 日銀の亀崎英敏審議委員は28日、札幌市での金融経済懇談会であいさつし、「日銀はプロアクティブに、すなわち主体的に、能動的に適切な政策を実施していかなければならないと意識してきた」と述べた。

  その上で、「今後とも日本経済がデフレから脱却し、物価安定のもとでの持続的成長経路に復帰するためになすべき最大限の努力をプロアクティブに行っていきたい」と語った。

  <力強い回復始っているとまで言えない、ユーロ安円高リスク>日本経済の現状について「主として海外経済とエコ関連施策の2つの要因に押し上げられている」と指摘。一方、「これらの影響が及びにくい分野での回復の動きはまだ鈍い」とし、「国内民間需要の自律的な動きが主導する力強い回復が始まっているとまでは言えない」と述べた。

  日本経済の先行きについて、エコカー補助金が9月末、エコポイント制度が12月末にそれぞれ終了するため、その後反動減が見込まれる、としつつ、「既に支給が開始された子ども手当は、個人消費の押し上げにそれなりの寄与があるものと思われる」と述べた。

  またギリシャなどの信用不安問題が、欧州各国の緊縮財政による内需悪化や財政引き締め、「これら諸国向けの債権を持つ金融機関の資金仲介機能の低下、市場全般の不安から来る支出意欲の低下などを通じて下振れ要因となる可能性がある」と指摘。「ユーロ安円高による輸出競争力への影響や、金融市場の不安定化による企業の資金調達面への影響なども、景気下振れリスクとして認識しておく必要がある」と述べた。

  新興国や資源国の動向について、「金融緩和を続ける先進国などからの資金流入基調は持続しているようにうかがわれ、こうした動きが新興国・資源国の資産市場の過熱感を高めるとすれば」、「日本の景気も輸出の増加を通じて上振れる可能性がある」としつつ、「新興国・資源国では、景気の上振れが過熱にまでつながる場合、その後に強い引き締め策を必要とし、先行きの景気下振れ要因ともなり得る」と指摘した。

  <金融機関から先の実体経済には資金回りにくい状態続く>新型オペ拡充などリーマンショック以降に日銀が打ち出してきた各種施策により、「金融市場や金融機関には、資金が十分に行き渡っている」が、「その資金は金融機関から先の実体経済には回りにくい状態が続いており、力強い経済成長には結びついていない」として、「成長基盤強化」のための新貸出制度を始めた経緯を説明した。

  <物価上昇率低下は先進国共通現象>また「物価上昇率が低下傾向にあるのは世界の先進主要国・地域において共通の現象」と指摘しつつも、「食料・エネルギーを除くベースでみてマイナスが続いているのは、日本だけ」とし、「その主要な理由としては、需給ギャップのマイナス幅の大きさが挙げられる」とした。

  物価の先行きについて「実体経済と同様に、上下双方向の不確実性がある」とし、「景気回復が想定よりも遅れることなどにより、人々の先行きに対する悲観論が広がった場合に、今のところ安定している中長期的な物価についての見方が下振れ、実際の物価も下振れてしまう可能性が挙げられる」とした。

  <デフレ下では実質金利、経済水準に見合う水準まで下がらない>デフレ下では、「名目金利がゼロ以下にならないという制約により、実質金利が経済の活動水準に見合う水準まで下がらなくなるという面がある」との懸念を表明。日本経済が「デフレから脱却するためには、需給ギャップを縮小させる必要がある」として、そのためには「政府が先月公表した『新成長戦略』と『財政運営戦略』に期待したい」と述べた。

  (ロイターニュース 竹本能文記者)